ヤワラの窒素成分に注目 |
しかし、肥料登録上の種類は「液状窒素肥料」。硝酸性窒素が5%保証されています(硝酸カルシウムとして10.5%)。カルシウム補給目的で利用されているヤワラが、この窒素成分に注目して使用される場面が増えてきています。
例えば、低温により肥料吸収が鈍くなる時期(12~2月)の栄養補給(特に露地野菜)、葉菜類の葉色向上、豆類の実入りをよくするなど。
現在、様々な場面で利用されています。
この様なヤワラの利用方法で共通している点は、含有される窒素成分が低いことにあります(同時にカルシウムが補給できることは当然として)。窒素成分が高く希釈倍率が濃い液肥の場合、作物が窒素過多になる恐れがあります。
特に冬場、日照が不足する時期などは、過剰な窒素補給が病気や生理障害を誘発する可能性も有ります。その点ヤワラは、成分量も低く希釈倍率が薄いため、窒素過多になるリスクが低いと言えます。
ヤワラは1000倍希釈で7~10日おきに定期散布しますので、一度に多量の窒素を補給することはできませんが、ジワジワと窒素を補給することができます。
下の写真は、左が無散布、右がヤワラを2回散布したトマトです。
左のトマト(無散布)の下葉に、葉かび病の病斑が見られますが、右のトマト(ヤワラ散布)には病斑が見られません。葉かび病の発生要因の一つとして、栄養失調状態があります。このトマトは、ほぼ無肥料の状態で栽培しており、無散布のトマトは肥料切れを起こし、葉かび病が発生したと考えられます。一方ヤワラを散布したトマトは、葉面からの栄養補給が可能になり発病しなかったと考えられます(カルシウム補給により葉の細胞が強くなり、菌糸の侵入がなかったとも考えられますが)。
※ヤワラには葉かび病菌を殺菌する効果はありませんので、栄養失調状態の改善や回避を目的とした結果として見て下さい

