イチゴの“がく枯れ” |

カルシウムの吸収特性
①窒素が急激に吸収されると、一時的にカルシウムの吸収が抑制される
②カルシウムは水分と共に吸収される
③根の活性が低下すると吸収できなくなる
カルシウムの吸収不良を起こす要因
①高温期や曇天後の晴天時の窒素過剰吸収
②土壌中の水分不足による吸収不良
③塩類濃度障害や乾燥による根傷み・着果負担などによる根の活性低下
対策
土壌中の水分(過湿・乾燥に注意)と窒素量(窒素過多に注意)を適正に保つことが最も重要になります。そして、地温が低い時期や着果・収穫などのストレスが大きい時期は、根の活性を低下させないために「森羅」などを使って根を活性化してください。
上記①など予測が難しい、天候変化などによるカルシウム欠乏症対策として、葉面からのカルシウム補給も効果的です(ヤワラなど)。ただし、スポット的な葉面散布ではなく、定期的に葉面から補給することが重要になります。予測不能なカルシウム欠乏症は、植物体内にカルシウム濃度を高めておく必要があるからです。
がく枯れは商品価値が落ち、ひどい時には出荷できなくなることもあります。葉先枯れも葉の活性が落ちたり、死滅した細胞から侵入してくる灰色カビ病の発生要因にもなります。
がく枯れなどのカルシウム欠乏症は、発症してからでは手の施しようがありませんので、日頃の管理から十分に注意してください。