高温期のキク挿し芽時使用法について① |
写真①

写真②

写真①のように枯死しいる箇所から徐々に全体へ広がっていく様子を見ると病気のようにも思いますが、写真②のように両端の床が全滅で、真ん中は問題ない様子を見ると違うようにも思えます。枯死した株を見ても、病原菌の胞子らしきものを確認することはできませんでした。導管を詰まらせるような細菌性の病気も考えられるのですが、生産者と相談の上、ひとまず原因は病原菌でないと判断し、発根を良くし吸水性を向上させる方向で解決方法を検討しました。
3月に同じような症状が出た時には、アグリボEX1000倍液の葉面散布をしたようだったので、今回は別の処理方法を提案しました。
弊社試験では、『挿し芽前のアグリボEX希釈液による浸漬処理』と『挿し芽後のアグリボEX高濃度(50倍希釈液)葉面散布処理』が最も発根を促すことを確認しています。浸漬処理の方が作業的に簡便と言うことで、今回は『アグリボEX100倍希釈液の1時間苗浸漬処理*』をしてもらうようにしました。
※挿し芽時にインドール酪酸等の植物調節剤を使用しないとのことなので、アグリボEX単体使用で最も効果の高かった上記処理方法を選択。植物調節剤を使用する際の処理方法は、倍率・浸漬時間が違いますので“アグリボこよみ キク編”を参照してください。
数日後、「調子良いみたいで、今のところ枯死する株はないよ」と、生産者から連絡がありました。
上記写真の原因は未だ判然としませんが、発根・吸水を良くすることで回避できる可能性があるようです。
高温期における挿し芽時のより効果的な使用方法を検証してみましたで、次回掲載いたします。