生育環境を整える |
※ハウスに入った時の第一印象→やや過湿気味?

その後、様子が気になったため2月中旬に同じハウスを訪問しました。上記した病斑については、完全には止まりきらずに生長点付近にもポツポツと広がっていました。一気に広がったのではなく、徐々に広がったようです。それ以上に、今回は下記(写真2.)の灰色カビ病が多く見られました。おそらく葉先枯れした箇所から感染した灰色カビ病と推測されます。実や茎への感染はまだありません。加えて、葉緑素が抜けたような症状も何箇所かで見られました(写真3.)
※今回ハウスに入った時(午前中)の第一印象→乾燥してる?


上記症状が出ていたのがハウスサイドの畝。そして、ハウスの中央では、樹全体が黄化する症状が見られました(写真4.5.)。茎が細く葉が立ち、樹全体が黄化しています。この症状は全ての樹で出ているのではなく、所々といった感じです。


これらの症状の中で一番気になったのが、樹全体の黄化(写真4.5.)です。
土壌ph異常による鉄欠乏などの微量要素欠乏症、ウィルス性の病気、低温・乾燥などの環境不良、株疲れによる肥料の吸収不良など、様々な原因が考えられたので症状を整理して考えてみました。
①斑点性の病気発生(斑点細菌病もしくは斑点病)
→樹の疲れとハウス内の過湿
②灰色カビ病が発生しているものの広がりは少ない/葉の脱色
→ハウス内が乾燥/低温、ガス障害
③茎が細い/葉が立つ/樹全体の黄化
→肥料切れ、低温(特に地温)、ウィルス性の病気
これらを見てみると、ハウス内の環境は乾燥・低温・肥料切れになっているのではないか。ウィルス性の病気やガス障害の可能性も考えられましたが、症状の出方や発症箇所が限られていることから、ひとまず除外。
以上から対策として、
①ハウス内を適正温度に保つ(暖房機の不備も含めて)
②乾燥を避けるために少量多潅水をおこなう(真水の潅水は避け、液肥や森羅などを同時に施用する)
※ハウス内が多湿になると病気が蔓延する可能性があるので、防除はしっかりとおこなう
③追肥(粒状肥料)をおこなう
今回のケースでは、弊社製品のような“植物に働きかける製品”を施用しても、症状を改善することは難しいと思います。まず初めにしなければいけない事は、生育環境を整えてやることです。回復の兆しが見えてきたところで、アグリボEXや森羅などを施用してやるとより回復が早くなり効果的です。
生育不良を起こした時、第一に原因を見つけ環境を整えることを考えて下さい。