アグリボEXの苗床処理で定植後の生育に差が出てくる(長ねぎ編)。 |
ここ数年の天候は、不安定な天候が多く農作物の栽培を難しくしています。それらの天候に対して、その都度、適切な対策を施す必要はありますが、それだけでは後手に回ってしまうことも多くあります。
しかし、活着がスムーズで初期生育の充実した苗は、不安定な天候に強かったり、対策を施した時の回復が早かったりもします。まさに「苗半作」と言ったところでしょうか。
弊社でおこなっている試験においても、「苗半作」を思わせる結果が出ておりますので、一部抜粋して紹介したいと思います。
前回のビートでの試験結果に続き、今回は長ねぎでの試験結果を紹介します。
<長ねぎでの試験結果>
□試験内容
育苗期(生育初期)にアグリボEXを処理し、最終薬剤処理終了後、約80日経過後の生育を調査する。
□試験区
試験区1:出芽直後にアグリボEX100倍液の潅注処理
試験区2:アグリボEX500倍液の潅水散布処理
試験区3:ヤワラ500倍液の葉面散布処理
試験区4:アグリボEX500倍液+ヤワラ500倍液の葉面散布処理
試験区5:無処理区
□考察
全ての薬剤試験区で、無処理区に比べ地上部及び地下部の伸長が認められた。
苗重においては、それ以上の大幅な増加が観られた。したがって、苗重/苗長比が高くなり、苗の充実度(太さ)をうかがわせるものである。
特に試験区4は、全ての調査項目で際立って高い値を示し、苗質向上が顕著であったことを示す結果となった。
試験区2の処理液には、試験区4と同じ濃度のアグリボEXが含まれていながら、試験区4に比べ十分な生育促進効果が認められなかった。これについては、潅水散布処理では、アグリボEXの成分が植物体内に十分吸収されなかったことが原因していると考えられる。(ねぎや玉ねぎには、潅水散布よりも葉面散布の方が効果的)
ヤワラ500単用区も高い生育促進効果をもたらし、含まれる展着促進材の作用で窒素分が効率良く取り込まれた結果と考えられる。
試験区1は、高濃度のAGEX希釈液(x100)を出芽直後に1回潅注処理し、その後の薬剤処理を省いたものであるが、十分に苗質を向上させており、省力性の観点から着目すべき処理法である。
□結 論
長ねぎの育苗初期~2葉期までに、アグリボEX500倍・ヤワラ500倍混合液を数回葉面散布処理することで、その後の生育(葉令及び草丈)が促進され、地上部・地下部共に充実した株になる。
生育初期にアグリボEXを葉面散布
↓
良質苗になる(健苗育成)
↓
その後の生育が促進され、地下部・地上部ともに充実する
薬剤処理終了後、約80日経過後の各区の様子
試験区1:出芽直後にアグリボEX100倍液の潅注
試験区2:アグリボEX500倍液の潅水散布
試験区3:ヤワラ500倍液の葉面散布
試験区4:アグリボEX500倍液+ヤワラ500倍液の葉面散布
試験区5:無処理
苗の詳細(%は無処理区比)
試験区2:アグリボEX500倍液の葉面散布
試験区3:ヤワラ500倍液の葉面散布
試験区4:アグリボEX500倍+ヤワラ500倍葉面散布
試験区5:無処理区