気温の上昇とともに問題になってくるのがカルシウム(Ca)欠乏症。Ca欠乏と言っても土壌中のCa不足で発生するケースはほとんどありません。多くは天候や管理不足によって起こります。
□カルシウムの特性
①カルシウムは水と共に吸収される
②植物体内での移行は水分の移行に影響される(根圧と蒸散)
③窒素過剰はCaの吸収を阻害する
□カルシウム欠乏(吸収不良)を起こす原因
①土壌の乾燥
②根圧低下による水分(Ca含む)の配分不良
③窒素過多
□対策
土壌を乾燥させない。これが基本です。上記したように土壌に水分がないとCaは吸収されません。施設栽培なら水分管理ができますので十分に注意してください。月並みですが少量多潅水が土壌の水分管理には適しています。
水分管理とともに湿度管理にも十分気をつけてください(施設栽培)。
・日中は湿度を下げる(蒸散促進)。
・夜間は十分な湿度を確保する(病気の発生に十分注意する)。
加えて、窒素の過剰施肥にも注意してください。
春先や夏場などのCa欠乏症が発生しやすい時期は、Caの葉面散布が効果的です(ヤワラがおすすめ)。特に水分管理が難しい露地栽培では葉面散布がおすすめです。
Ca欠乏症対策として散布する場合は定期散布をしてください(7~10日おき)。常に植物体内にCa濃度を高めておく必要があるためです。
とは言え、Caを吸収するための根がなければ、これらの対策も意味がありません。日頃の栽培管理にも注意してください。アグリボEXや森羅は、その栽培の手助けになると思います。アグリボEXや森羅は吸水、吸肥ができる根をつくることができる(根圧を高める)。この事を頭の隅に入れておいてください。
□まとめ1.土壌の乾燥に気をつける
2.ハウス内の湿度管理に気をつける
3.土壌の窒素過剰に注意する
4.定期的なCaの葉面散布をおこなう(ヤワラ等)
5.根圧を高めるために根を活性化させる(アグリボEXや森羅)
カルシウム欠乏症は発症してからでは手の施しようがありません。日頃の管理から十分に注意して対策をしてください。